ポコあポコ

タイトルは学生時代に読んでいた小道迷子さんの競馬の4コマまんがから頂きました。登場するゆるくて憎めないキャラクターが良いです。

相反する課題を解決することについて

 映画は割と好きなほうで、以前は良く映画館に通っていたのだけど。例えば、北野武の映画はたまに暴力的な表現がある。一方、海外で受賞してたりするので芸術性はあるのだろう。かといって暴力的な表現とか、性的な表現がある場合、倫理的な観点から検閲されたり、下手すると配給禁止になったりする作品もある。

 芸術的に素晴らしいから、世の中に公開すべき。でも、道徳的に問題があるから、中止すべき。つまり、ありのままの芸術を伝えたい。検閲したら本来伝えたかったことが失われる。芸術として価値がなくなってしまう、という考え方があれば、分別のつかない青年には健全な芸術だけを提供するべきだ。それに、そもそも道徳的に問題のある作品を社会として認めて良いのか?という主張も判らなくもない。どちらが正しい主張なのか。

 実はどちらも主張も正しい。

もし、いずれの側にも真実があるとしたら、何か共通点があるはずだ。しかし、それを見つけるのは容易ではない。

100の思考実験 (著)ジュリアン・バジー

おそらくその共通点を見つけ、確立された制度がR指定なのだろう。映画の芸術性を損なってはいけない。分別のつかない人間は鑑賞すべきでない。この2つの本質的な課題を損なわずに、止揚している。

 おそらく、仕事や家庭においても、こういった課題は発生するのだろうけど、そんなとき、短絡的な解決策に飛びつくのでなく、こういった観点がもれてればと思う。