ポコあポコ

タイトルは学生時代に読んでいた小道迷子さんの競馬の4コマまんがから頂きました。登場するゆるくて憎めないキャラクターが良いです。

床屋さんの工夫

 私が普段使っている床屋だけど行くたびに店に何か変化がある。例えば店を飾る電飾が追加されたり、散髪中の荷物を入れる籠が追加されたり、店員さんがユニフォームを着ていたり。
 この間も散髪が終わって会計する際、机の上に知恵の輪がおいてあるので不思議に思ってみていたら店の人が子供用に揃えていとのこと。散髪待ちの暇つぶしのおもちゃなのかと思ったらそうではないらしい。子供は落ち着きがないので頭がしょっちゅう動くのでうまく散髪ができない。ところが知恵の輪を与えるとそれに夢中になって静かになるとか。よく考えている。どうしたらもっとお客さんのためになるのか考えながら日々工夫を重ねていく。すごいなと思う。

 一方、私の仕事に対する工夫はどうかというと、仕事を繰り返すうちにあるパターン(型)のようなものが出来上がってくる。さらにそのパターンを反復して見直すことで洗練し徹底的に仕事の効率化を図っていく。
 しかし、効率化はいいけどそのパターンで仕事が上手く回り始めると居心地がよくなって変えることができなくなってしまう。また、効率化といえば聞こえがいいけど、とどのつまり自分が楽をするための改善という面も否めない。その結果、もっと大切ななにかをそぎ落としている可能性はある。

 今の仕事のやり方を工夫するにはどうしたらいいか考えてみた。それは自分にとって(お店にとって)何を善にするかということじゃないだろうか。私の場合は私が居心地よく仕事できることが善。(自分が居心地よく仕事ができることは決して悪いことじゃないと思うけど)一方、床屋の場合はお客さんが居心地よくなることが善。自分のために工夫を重ねてもその変化の幅はすぐに限界が見えるけど、お客さんの総体に対する工夫は限界がない。だから常に変わっていける。そういうことだと思う。