直観を信じること
昨日の記事で、直観に頼りすぎるのが良くないと、書きましたが、やはり大切じゃなかろうか、というお話。
自分は、社内に提供するシステムを、開発するグループのリーダーをやっていますが、よく上司から中期的なロードマップを考えて持って来い、と言われるのですよ。ちなみに、私が所属する部門はちょっと特殊で、一般的なSEコンサルのような、顧客の業務プロセス改善的な仕事が売りではなくて、ちょっと先進的な技術を導入したシステムを売りにするところです。
なので、ロードマップ作成にあたり、最近の技術トレンド(今だと、AIとか機械学習とか)などネタを調べて考えます。しかし、私の場合、今できることをベースにロードマップを作成するのですが、上司から見るとつまらんとなってしまうのですよ。おそらく、夢がないとか、ワクワクしないとか、そんな理由だと思いますけど。なんか、今は無理でも、この先頑張ればいけそう、って感じの近い将来実現できそうな内容じゃないとダメらしいです。
でも、そこではたと困ってしまうのです。どう考えても、今知っている技術だけで近い将来の技術が確立できないですよね。その矛盾が解決できなくて、結果として時間切れになって、今の技術ベースでロードマップを持っていって、上司から却下というループにここ1年ほどはまっています。
そんなこんなで、ふと今日読んでいた、畑村洋太郎という先生の「技術の創造と設計」という本に、こんなことが書いてありました。要約すると、
- 技術者がなにかを設計するときは、現状の事実から論理の積み重ねで、ゴールに至るのでなない。過去に得た経験や知識から、まず直観的にゴールをイメージして、そのゴールを達成するネタを集めて組み立てていく。
ということらしいです。なるほどと思いました。
確かに今までの私の考え方は、論理の積み重ねベースのため、どうしてもその延長線上にしかゴールがありません。しかし、この考え方なら、今自分が直面している、近い将来をイメージしたロードマップの作成にも適用できると思います。つまり、いま集めているネタに関する知識と、私が今まで得た経験から、近い将来こうあってほしいというイメージを直観でとらえて、まず定義してしまうのです。それから、それを達成するのに必要なネタを集めていくと。来週が納期ですが、わずかに光が見えてきた気がします。