ポコあポコ

タイトルは学生時代に読んでいた小道迷子さんの競馬の4コマまんがから頂きました。登場するゆるくて憎めないキャラクターが良いです。

遠藤周作と柴田錬三郎について

 人の読書の嗜好って色々あると思う。普段はそんなこと気にしないんだけど、何故か自分の読書の嗜好の一部について書いてみようと思う。今朝、通勤途中で電車の中でふと思い浮かんだので。

 私の好きな作家に遠藤周作柴田錬三郎がある。(他にもお気に入りの作家がいるのだけど)この2人に共通点があるため、(自己分析もあり)整理してみようと思う。

 ざっくり言ってしまうと、二人の作品に出てくる主人公は報われない。個人の信条と体制が衝突して、最後は個人が破滅してしまう。例えば、遠藤周作の場合は、キリスト教を軸にした話が多いのだけど、主人公は、江戸幕府なり、軍事政権下の政府に屈して、自分を滅ぼしてしまう。柴田錬三郎の場合は、主人公が自分を守るために身に着けた剣術が(もしくは、信条に則って行動した結果)、世間から否定され命を落としてしまう。

 そういった、体制に対する主人公の孤高の抵抗、主人公の生き方、生き様に私は共感するのだろう。

 話がちょっとそれるけど、小林秀夫の著書「考えるヒント」も良いですね。非常に難しくて読むのに苦労するけど、自分の考えを必死に整理して訴えているところに、心が動かされます。

 そこには、個人の精いっぱいの主張がある。そして、そこから、説得力が生まれ、読む人の心を熱くする。そんな感じじゃなかろうか。

 自分を熱くする。そんな本に会えることは滅多に無いけど、これからもそんな本との出会いを大切にしていきたい。