古典まんだら 田辺聖子
海外の古典が好きで哲学書などたまに読むけど日本の古典は今まで読んでなかった。ふとしたことから自分の国の伝統と文化を知ろうと思い古典の入門書を探してみた。
ところが私は古文が苦手でとにかく読めない。そんな中で判り易い入門書を探してたら田辺聖子の本がよさそう。古事記や万葉集などアラカルトでおすすめ部分を抜粋して紹介してくれる。解説が多いので古文が苦手でもなんとか読める。
少し読み進めてみたところ海外の古典はまさに人生の知恵や生き方といった哲学書的なイメージにあるけど、一方日本の古典は抒情的なものが多いと気がついた。つまり、日本の古典とは理性的な事柄よりも感情や調べの美しさというものを大切にする。田辺聖子の先生によると、
先生が授業でおっしゃった言葉です。
「歌の調べというのは、言葉ではなんとも言えないもので、これだからこうと教えることはできません。新古今には新古今の調べが、万葉には万葉の調べがあって、どれも美しい。あなた自身にもあなたの調べというものがあるはずです。調べがいい歌は一度読んだら決して忘れません。調べていい歌は記憶に残り、あなたの血肉になります。だから、いい歌をたくさん読まなければなりません」
私はもの覚えがいい方ではありませんが、いままでお話しした万葉の歌は、調べがいいので、いつのまにか耳に残ったのです。記憶にとどまり、人生の宝ものとなりました。古典まんだら 田辺聖子
私は調べの美しさが判らないけど代わりに田辺聖子の解説によって歌の情景が思いうかび素直に美しいなと思える。今まで歌(日本の古典)についてこんな感想を持つことができなかった。新しい発見があって嬉しい。