ポコあポコ

タイトルは学生時代に読んでいた小道迷子さんの競馬の4コマまんがから頂きました。登場するゆるくて憎めないキャラクターが良いです。

孤食の人 立喰いうどん・そば 山七

 もうかれこれ20年近く前のこと。学生時代に浦安に住んでいた時、高校時代の友人が西船橋(千葉)の予備校の寮にいました。
 友人は競馬にはまっており近くには有馬記念を開催する中山競馬場があるので一緒に遊びに行こうと誘われたため行ってみることに。途中で腹ごしらえのため最寄り駅の構内にある立ち食いそば屋に寄りました。友人は頼んだそばにこれでもかというくらい七味唐辛子を入れて食べていました。聞いてもいないのに本人曰く阿佐田哲也麻雀放浪記の影響とのこと。アンタ予備校生なのに競馬に麻雀と賭け事に色気だしてなにやってんだ。
 

 その時のそばは記憶に残らなかったからたいして美味しくなかったのだろう。それでもしばらくすると、なぜかまた行きたくなってしまう。そして失望を繰り返す永遠回帰。それが立ち食いそば。ノスタルジックな思いがこれを引き起こすのか、現在の満たされなさの埋め合わせを求めてなのか。

 失望を繰り返しつつ中にはもしかしたらこれぞ最高、絶対の立ち食いそばがあったかもしれない。それもでも食べログに登録されたコメントに勇気を与えられながら次の立ち食いそばに挑戦するここ1年。

 そんなわけで武蔵小杉にある図書館に寄ったついでに東横線新丸子駅前にある立喰いうどん・そば 山七さんにやってきました。「食い」でなく「喰い」という漢字が古風かつワイルドであり私に真剣勝負を挑んでくる。真剣勝負を感じるのは昔見た立喰師列伝押井守)の影響か。

 私が入ったのは休日の14:00頃で先客が2人くらい。お店はお姉さんが一人で切り盛りしていました。

f:id:halfday:20170717160306j:plain

 

 いつも頼むのはかき揚げ蕎麦。かき揚げってお店によって大きさや具の種類、食感までいろいろ違っていて楽しい。食べているうちに汁が染み込んで徐々に食感や味が変化するのも楽しめてグッド。

 
 2~3分くらいででてきました。かき揚げは小ぶりかな。330円と安めの設定のため大きさに文句は言えないか。
f:id:halfday:20170717160329j:plain

 予備校時代の友人の真似して唐辛子をじゃかじゃか入れたら一味唐辛子だったよ。ちょっと失敗。

 気を取り直して汁を一口。かつおの風味がします。味は薄目。蕎麦の風味は特に感じないけど立ち食いそばにそれを求めては酷か。
 汁だけではパンチが利いていないため、唐辛子やかき揚げでムードを盛り上げつつそばを進めていく。添えつけのネギとのハーモニーも要所要所で利かせつつ完食。

ごちそうさまでした。